大日本観察日記

クソみたいな雑学をあなたに!

スイングバイってなに?

第三回はスイングバイの話です。

初回にブラックホールについて扱いましたが、また宇宙とか引力の話です。

【免責事項】

・筆者は文系なので難しい数学や物理の話は一切しません。

・筆者は専門家ではないので、若干間違っていても責任は負いません。

 

  1. スイングバイとは?

天体の万有引力を利用して、宇宙船等の加速や減速、方向転換を行うことです。

 

万有引力

世界のあらゆる物体は、一定の密度を持つと周辺のものを引き寄せる力である「引力(重力)」を持つようになります。スイングバイはこの力を利用するのです。

 2.方向転換(進路変更)

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惑星が静止しているものと仮定して...

方向転換する場合は、まず惑星の引力により引き寄せられ徐々に加速(落下)します。

すると惑星近辺を通過する際に速度が最大になり、宇宙船の軌道はV字型に折れ曲がったものになります。

その後、惑星から遠ざかる時には、惑星の引力が働くために宇宙機は減速します。

宇宙船が惑星の引力によって加速した分は惑星離脱時の減速によって相殺されます。

結果速度は変わらず、進路のみが変わるのです。

 

 2.加速

上の例では惑星は静止していましたが、実際の惑星は公転(恒星の周囲を回ること)しています。この公転を利用することで、スイングバイによって方向だけでなく速度も変えることができます。

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宇宙船が、公転方向と反対向きに惑星に接近しその脇を通る場合、惑星接近時の方が離脱時よりも長く引力の影響を受けるため、惑星に離脱する時の減速度は、惑星接近時の勢いよりも大幅に少なくなります。

 

 3.減速

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加速のときとは逆に、惑星の公転方向と同じ方向に接近する場合、宇宙船は惑星離脱時に引力の力を長く受けるため、減速します。

 

このようにしてエンジン噴射などの機能を持たない宇宙船は、宇宙空間で加減速を行っているのです。

 

 4. 分かりやすい例

1977年に打ち上げられたボイジャー2号では、出発時は約 36 km/s の速度であった。その後太陽から離れるうちに、木星軌道に達したときには、速度は約 10 km/s になっていた。そこで木星スイングバイし、約 21 km/s まで増速した。木星軌道での太陽系脱出速度は 18.5 km/s のため、木星スイングバイにより太陽系を脱出できるようになったといえる。その後、土星に到達したときには、速度は約 16 km/s まで落ちていたが、土星スイングバイし、約 24 km/s まで増速した。さらに、天王星でわずかながら増速、海王星では逆にわずかながら減速し、太陽系を脱出していった。

 

 5.スイングバイは惑星の動きを変える?

冒頭で一定の密度を持つあらゆる物体は引力を持つと書きました。

これは惑星などの天体はもちろん、人間や宇宙船も例外ではありません。

実際、宇宙船が惑星でスイングバイを実施すると、惑星側もわずかに宇宙船の引力に影響を受け、軌道や公転速度が変化します。しかし、その影響はあまりにも小さいため、ほとんど考慮しなくても問題はないのです。

 

スイングバイについて理解できましたでしょうか?専門家の方々がWebサイトで詳細に解説していますので興味を持った方はそちらもご覧ください!